⚪︎認知症とは
⚪︎認知症の種類、主な症状
・アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症とは、もの忘れから気付くことが多く、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や自分のいる場所がわからなくなるなどが特徴的です。また、物を盗られたなどの妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。
認知機能障害
新しく経験したことを記憶できず、すぐに忘れてしまいます。食事をしたこと自体を忘れてしまうのはそのためです。また、日付、昼か夜か、今いる場所、家族の顔などがわからなくなることもあります。さらに判断する力や理解する力が落ちて、食事を作ったり、おつりを計算することができなくなったりします。
BPSD(行動・心理症状)
経過中に無為・無関心、妄想、徘徊、抑うつ、興奮や暴力などの症状が現れることがあります。
・身体面の症状
進行するまで目立ちません。
・レビー小体型認知症
レビー小体型認知症とは、実際にはいない人が見える「幻視」、眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動などの症状が目立ちます。また、手足が震える、小刻みに歩くなどパーキンソン症状がみられることもあります。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動することも特徴的です。
・認知機能障害
注意力がなくなる、ものがゆがんで見えるなどの症状が現れます。レビー小体型認知症では、最初は記憶障害が目立たない場合もあります。
・認知機能の変動
時間帯や日によって、頭がはっきりしていて物事をよく理解したり判断したりできる状態と、ボーとして極端に理解する力や判断する力が低下している状態が入れ替わり起こります。
・BPSD(行動・心理症状)
幻視:実際には見えないものが本人には見えている症状です。見えるものの多くは小動物や人で「ねずみが壁を這い回っている」「知らない人が部屋に座っている」などと、具体的です。また、人形を女の子と見間違ったり、丸めてある洋服を動物と見間違うなどの「錯視」もよくみられる症状のひとつです。
睡眠時の異常言動:眠っている間に大声で叫んだり、怒鳴ったり、奇声をあげたり、暴れたりすることがあります。レム睡眠中に起こしやすいことから、レム睡眠行動障害といいます。
レム睡眠は、身体は寝ているが脳は活動している状態なので、夢を見ていることが多くあります。
・抑うつ症状
気分が沈み、悲しくなり、意欲が低下する症状です。抑うつ症状は、レビー小体型認知症の人の約5割にみられるともいわれます。
・パーキンソン症状
動作が遅くなったり、無表情、筋肉のこわばり、前かがみで小刻みで歩く、倒れやすいなどの症状が現れます。
・自律神経症状
血圧や体温、内臓の働きを調整する自律神経がうまく働かず、身体的にさまざまな不調をきたします。立ちくらみ、便秘、異常な発汗・寝汗、頻尿、だるさなどがあります。場合によっては、めまいを起こして倒れたり、気を失う危険もあります。
・血管性認知症
血管性認知症とは脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症です。脳の場所や障害の程度によって、症状が異なります。そのため、できることとできないことが比較的はっきりとわかれていることが多いです。手足の麻痺などの神経症状が起きることもあります。
・認知機能障害
障害される能力と残っている能力があります(まだら認知症)。判断力や記憶は比較的保たれています。「せん妄」が起きで突然認知機能が悪化してしまうことがあります。
・BPSD(行動・心理症状)
意欲や自発性がなくなったり落ち込んだりすることがあります。感情の起伏が激しくなり、些細なきっかけで泣いたり興奮したりすることがあります。
・身体面の症状
脳血管障害によって、手足に麻痺や感覚の障害など神経症状が現れることがあります。ダメージを受けた場所によっては言語障害などが出る場合もあります。
⚪︎認知症は治るタイプもあります
認知症の症状があっても、もとの病気を治療すると治ることもあります。こうした病気を早く見つけて少しでも早く治療を開始するためにも、自分自身や周囲にいる人の中で少しでも「認知症かな?」と思うことがあれば、早めの相談や専門医を受診することが大切です。
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